妊娠,癒し

受け止めてもらえるだけで癒される。

自分の思いは誰かに話そう。

 

私のパソコンには、ホームページを見た方や、当サイトの読者から毎日たくさんのメールが送られてきます。

 

そのメールは形のうえで, 2つに分けることができます。

 

ひとつは携帯電話からのメール、もうひとつがパソコンからのメールです。

 

携帯からのメールの場合、表示画面が小さく、字数制限もありますから,短い文章になります。

 

その分、感情が非常にストレートに表現されています。

 

「妊娠しません。アドバイスお願いします」。

 

これは私が受け取った最も短いメールです。

 

余分な言葉がないがゆえに、思いがひしひしと伝わってきます。

 

いっぽう、パソコンから送られてくるメールは、とても長いものも多いのです。

 

どんな相談なのだろうと延々と読んでいくと、結局、質問は何もなくて、最後に「読んでいただいてありがとうございました。」

 

と書かれていたりします。

 

人間というものは、誰かに話しを聞いてもらえるだけで、頭の中が整理されたり、癒されたりするものなのですね。

 

しかし、話し相手は誰でもいいというわけでは決してありません。

 

そこには、自分の気持ちに共感してもらえる、うなずいてもらえるということも必要です。

 

ですから、そのようなことが得られない相手では、かえって孤独感が増してしまうこともあるのです。

 

これは、クリニックのホームページに作った「妊娠へのヒント集」を読んで毎回ていねいにコメントをくださる方からのメールです。

 

彼女は今、私が発する問いに答えることで、コミュニケーションを取っているのかもしれません。

 

少し長いですが、ご紹介しましょう。

 

 

 

※■このページに私の思うことを書くようになってから、一年間の不妊治療のなかで自問自答をくり返し、ぐるぐる巻きになっていた私の心が、ひとつひとつほぐされて行く感じがしています。

 

心が落ち着いてくると、不思議ですね、今まであんなに焦ってばかりいたのに、今はまず基礎体温を理想的にしてゆっくりお母さんになる準備をしてみよう、なんて思うのです。

 

私は今までも不妊患者が集う掲示板でいろんな思いをぶつけてきました。

 

治療についてのアドバイスを求めたこともあります。

 

画面の向こうの誰かが書き込んだ言葉に救われたり、励ましあったり。

 

もっとつらい思いをしている方の想いを読みながら、自分の小ささを知ったり。

 

だから私には、気持ちをぶつける場所があって、心の整理ができていたそう思っていました。

 

いま私はこのページの問いかけに答えることで,心の整理をすることができます。

 

これを送ることが、私にとってのカウンセリングなのではないかと思います。

 

画面の向こうに受け取ってくれる人がいる、それが私に共感してくれる医師だということに、安心が生まれるのではないかと。

 

先生、これからも時々私たちにヒントをください。

 

そして問いかけてください。

 

 

 

※「聞いてもらうだけ」じゃダメ?

 

彼女のように、落ち着いて自分の気持ちを見つめることができればよいのですが……。

 

不妊の悩みは、パートナーに受け止めてもらえれば、それがいちばんよいことは言うまでもありません。

 

そういう意味では、メールを送ってくる方たちは、みな多少なりとも孤独を抱えているのかもしれません。

 

どんなに仲のよい夫婦でも、孤独感にかられるときはあるものです。

 

人間は、話を聞いてもらえさえすればいいというものではありません。

 

お互いがお互いの思いをぶつけ合うだけでは、キャッチボールにならないのです。

 

また、いくらキャッチポールを続けたところで、最後にふたりの想いが寄り添わなければ、やはリそれは孤独なのです。

 

そのことをよく現しているメールがありました。